理想の自分を目指そう
「かっこいいBBAになりたいのよね。」
いきなり俗語で自分の未来像を語るSさん。
BBA=ババアはわたし世代にとってあまり聴き心地の良い言葉ではないのですが
そこには納得できる理由がありました。
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プロフィール撮影をする前にお客様に必ず確認をすることがあります。
「しわやシミは修正しますか?」というものです。
自分の顔を他人に修正される。
気にしない人には全く問題ないことですが、気になる人には大問題な案件です。
以前わたしはそんな風に自分の顔を修正されまくった記念写真を送られて
なんとも言えない微妙な気持ちになった過去があります。
送った側からすれば善意の気持ちで修正してくれたに違いないのは分かっているのですが
そんなに修正しないとダメなの?
と我が顔に対する小さなプライドがいたく傷つけられ、楽しかった思い出にまで暗い影を落としてしまいました。
わたしだけでなく他にも同じような経験をされた方はいらっしゃるかもしれません。
それ以来
修正はするのか?するならどれぐらいがご希望か、が大切な確認事項となったのです。
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Sさんのご職業はコンサルティング業。
企業に勤めながらも個人ベースで多くのお客様のブランディングやカウンセリングを行なっていらっしゃいます。
今回個人サイドでのHPを立ち上げるために必要とのことで
プロフィール撮影をご依頼になりました。
Sさんを一言で表すとしたなら
「竹を割ったような」という言葉がピッタリ。
生粋の江戸っ子と言った感じでしょうか。
品がありながらも気さくでユーモアに溢れた会話が魅力的な方です。
わたしが定番の質問をSさんに投げかけるや返ってきた言葉が
「かっこいいBBAになりたいのよね」という
冒頭の言葉でした。
しわやシミを隠すことなく
年齢に合った自分でいたい。
媚びるスタイルではなく、自分の「好き」な人間像でありたい。
その表現として「かっこいい」という言葉が一番自分にしっくり来ると。
そして、生きる上で切り離せない年を取るという現象に
恥じる必要はなく、もっとフランクに年齢を重ねていきたいとの想いから
Sさん流の親しみとユニークさを込めて
「かっこいいBBAになりたい」
という発言へと繋がったのです。
一本筋が通った信念はいつしか
時代のスタンダードになっていくんじゃないか
そんな風に思えるくらい
わたしもその話を聞きながらウンウンと納得、共感。
すっかりSさんの話に引き込まれてしまいました。
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そんなSさんがわたしを選んだ理由は一つ。
「わたしの撮る写真が好きだから」
自分をブランディングするためのアイテムに
わたしが撮った写真が必要だと言われたら
褒め言葉だと分かっていても嬉しいものです。
さすが多くの人を診てきたSさん。
相手の懐に入りその気にさせる才能は天下一品です。
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今後かっこいいBBAとしてさらに風格が出て来るであろうSさん。
その経過も含めていつかまた撮影させていただけたらと思っています。
ご依頼ありがとうございました。
スイ
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